営業が苦手な個人事業主・フリーランスへ。まず知っておきたいこと

営業が苦手な個人事業主・フリーランスへ。まず知っておきたいこと

「営業が苦手」。個人事業主やフリーランスとして働く方から、この言葉を本当によく聞きます。スキルや技術には自信がある。仕事の質には誇りを持っている。それなのに、新しい仕事を取りに行く「営業」になると、急に足が止まってしまう。

もしあなたが今そう感じているなら、この記事はそのための記事です。営業が苦手なまま放置すると何が起きるのか、なぜ苦手になりやすいのか、そして苦手な人でも続けられる営業の形とは何か。順番に整理していきます。

目次

営業が苦手なのは、あなただけではない

まず最初にお伝えしたいのは、「営業が苦手」と感じているのはあなただけではない、ということです。

会社員であれば、営業は営業部の仕事でした。技術職・専門職として働いてきた人なら、そもそも営業をしたことがないまま独立しているケースも珍しくありません。デザイナー、エンジニア、ライター、コンサルタント、士業、ハンドメイド作家──多くの個人事業主は「自分の専門分野のプロ」であって、「営業のプロ」ではないのです。

つまり、営業が苦手なのは能力の欠如ではなく、単に「経験していないこと」「訓練していないこと」だというのが実態です。料理をしたことがない人が料理を苦手に感じるのと同じで、苦手なのは当たり前。ここを誤解して「自分は営業に向いていない人間だ」と思い込んでしまうと、必要以上に重く受け止めてしまいます。

苦手意識そのものをゼロにする必要はありません。大切なのは、苦手なまま放置せず、苦手な人なりのやり方を見つけることです。

なぜ個人事業主・フリーランスは営業が苦手になりやすいのか

「経験していないから」以外にも、個人事業主・フリーランスが営業を苦手に感じやすい理由がいくつかあります。代表的な3つを見てみましょう。

理由1:断られることが「自分の否定」に感じられる

ひとりで仕事をしていると、仕事=自分自身という感覚になりがちです。そのため、営業で断られると「自分のサービスがダメだった」「自分が選ばれなかった」と、人格を否定されたように感じてしまいます。

しかし実際には、断られる理由のほとんどは「タイミングが合わなかった」「今は予算がない」「すでに別の人に頼んでいる」といった、あなたとは関係のない事情です。営業の世界では、断られるのが普通であり、断られた数だけ次のチャンスに近づいているとも言えます。

理由2:「売り込み=迷惑」というイメージが強い

しつこい電話営業や、強引なセールスを受けた経験から、「営業=相手に迷惑をかける行為」と捉えている人は少なくありません。だから、自分が営業する側に回ると「迷惑をかけたくない」という気持ちが先に立ち、行動できなくなります。

ここは後ほど詳しく触れますが、営業は本来「困っている相手に、解決策があることを知らせる行為」です。迷惑になるかどうかは、やり方次第です。

理由3:何から手をつければいいか分からない

営業が苦手な人の多くは、実は「やりたくない」のではなく「やり方が分からない」のです。誰に、何を、どうやって伝えればいいのか。手順が見えないから、最初の一歩が踏み出せない。気合いや根性の問題ではなく、地図を持っていないだけ、というケースが非常に多いのです。

この記事の後半では、その「地図」の入口を示します。

「営業」という言葉のイメージを見直す

営業が苦手な人ほど、「営業」という言葉に強い圧迫感を持っています。だからまず、この言葉のイメージを少し見直してみましょう。

営業とは、突き詰めれば「あなたのサービスを必要としている人に、その存在を知ってもらうこと」です。

世の中には、あなたのサービスで助かる人が必ずいます。Webサイトを作りたいのに頼める人が見つからない経営者。SNS運用に手が回らず困っている店主。事務作業に追われて本業に集中できない事業者。そういう人たちは、あなたを「知らない」だけで、あなたを「拒否している」わけではありません。

営業とは、その「知らない」という状態を「知っている」に変える行為です。押し売りではなく、情報を届けること。そう捉え直すと、営業のハードルは少し下がります。

もちろん、相手の都合を無視して連絡を取れば迷惑になります。しかし、相手が必要としているタイミングで、相手のメリットを中心に、丁寧に伝えるのであれば、それは迷惑ではなく「役に立つ情報提供」です。営業が迷惑になるかどうかは、営業という行為そのものではなく、「やり方」で決まります。

営業が苦手な人ほど向いている営業のやり方

「営業が苦手」と感じる人の多くは、人と話すこと・対面で押し出すことが苦手です。ところが幸いなことに、現代の営業は対面・電話だけではありません。

苦手な人に向いているのは、次のような「文章ベース・非対面の営業」です。

  • 問い合わせフォーム営業:ターゲット企業の公式サイトにある問い合わせフォームから、自分のサービスを案内するメッセージを送る方法。
  • SNSのダイレクトメッセージ(DM):見込み客にSNS経由でメッセージを送る方法。
  • メールでの案内:すでに名刺交換した相手や、公開されている連絡先への案内。

これらの共通点は、「その場で会話の瞬発力を求められない」ことです。文章なら、何度でも書き直せます。落ち着いて、相手のメリットを考えて言葉を選べます。対面営業のように「沈黙が怖い」「切り返せない」というプレッシャーがありません。

人見知りだから、口下手だから営業ができない──そう思い込んでいた人でも、文章ベースの営業なら自分のペースで進められます。営業が苦手な人こそ、まずこの形から始めるのがおすすめです。

まず取り組むべき小さな一歩

では、具体的に何から始めればいいのでしょうか。営業を「リスト作り」「文面作り」「送信」「反応の管理」という4つの作業に分解して考えると、最初の一歩が見えてきます。

ステップ1:誰に営業するかを決める(リスト)

やみくもに営業しても成果は出ません。まずは「自分のサービスを必要としていそうな相手」を具体的にイメージし、その条件に合う企業や個人をリストにします。業種・地域・規模などで絞り込むと、リストの精度が上がります。

リストの作り方は、それだけで一つのテーマになります。詳しくは「営業リストの作り方とターゲット選定の考え方」の記事も参考にしてください。

ステップ2:何を伝えるかを決める(文面)

次に、最初に送るメッセージ(営業文)を用意します。ここで大事なのは、自分の実績を並べることではなく、「相手にとってどんなメリットがあるか」を中心に書くことです。営業文の書き方は、反応率を大きく左右します。

ステップ3:実際に送る(送信)

リストと文面ができたら、あとは送るだけです。問い合わせフォームやDMから、1件ずつ送っていきます。最初は反応が薄くても、一定数を送らないと成果は見えてきません。少数で諦めず、ある程度の母数を確保することが大切です。

ステップ4:反応を管理する

返信や問い合わせが来たら、丁寧に対応します。すぐに契約に至らなくても、「興味はあるが今は時期ではない」という相手は将来の見込み客です。やりとりの記録を残しておきましょう。

この4ステップのうち、苦手意識が強い人は、まず「ステップ1(リスト作り)」と「ステップ2(文面作り)」を、相手と直接やりとりしない準備作業として落ち着いて進めるのがおすすめです。準備が整っていれば、送信のハードルはぐっと下がります。

営業を「続けられる仕組み」にする

営業で最も難しいのは、始めることではなく「続けること」です。一度がんばってまとめて送っても、そこで止まってしまえば成果は続きません。

続けるコツは、気合いに頼らず仕組みにすることです。たとえば「毎週月曜の午前中は営業の時間」と決めてカレンダーに固定する。1回の作業量を「リスト10件分」など小さく区切る。こうして営業を生活のルーティンに組み込むと、「やる気が出たらやる」状態から抜け出せます。

仕組み化の具体的な方法は「営業を後回しにしないための仕組みづくり」の記事で詳しく解説しています。

それでも、本業が忙しくて営業に時間を割けない時期は必ず来ます。そのときは、営業の一部を外部に任せるという選択肢もあります。リスト作りだけ、あるいは初回の送信だけを外注すれば、本業に集中しながら営業の流れを止めずに済みます。「全部自分でやる」か「全部やめる」かの二択ではなく、その中間があることを覚えておいてください。

具体的にどんな営業手段があり、何から始めればよいかは「個人事業主の営業方法。何から始めるかを整理する」で整理しています。

なお、限られた時間で営業を回すための具体的な考え方は「個人事業主の営業効率化|限られた時間を最大化する考え方」で詳しく解説しています。

なお、紹介に頼りすぎないための新規開拓の始め方は「紹介だけで仕事を回すリスクと、新規開拓の始め方|フリーランス・個人事業主向け」、制作系フリーランスの営業の進め方は「営業が苦手なエンジニア・デザイナーへ|制作スキルを仕事につなげる営業術」で詳しく解説しています。

まとめ

最後に、この記事のポイントを振り返ります。

  • 営業が苦手なのは能力の問題ではなく、経験していないだけ。あなただけではありません。
  • 営業は「売り込み」ではなく「必要としている人に存在を知らせること」。やり方次第で迷惑にはなりません。
  • 苦手な人には、文章ベース・非対面の営業(フォーム営業・DM・メール)が向いています。
  • 営業は「リスト・文面・送信・反応管理」に分解すると一歩が踏み出せます。
  • 続けるコツは気合いではなく仕組み化。難しければ一部を外注する選択肢もあります。

営業が苦手でも、事業を続けるかぎり営業から完全に逃げることはできません。けれど、苦手な人なりのやり方は必ずあります。まずは小さな一歩から始めてみてください。

営業の最初の一歩を、外注するという選択肢

「やり方は分かったけれど、自分でやる時間がない」という方へ。BBBメッセージサービスは、営業リストの作成から初回営業メッセージの送信までを代行するサービスです。月額0円・100件¥5,000から、必要なぶんだけ依頼できます。

サービスの詳細を見る料金プランを見る

BBBメッセージサービス

執筆者:栗原 陽介(TYNコンサルティングオフィス 代表)

BBBメッセージサービス(営業リスト作成・初回営業メッセージ送信代行)の運営者。個人事業主・フリーランスの営業支援に携わっています。運営者について詳しくは 会社案内 をご覧ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次