独立・開業したばかりの時期は、本業の準備をしながら、同時に「仕事をどう取るか」も考えなければなりません。会社員のときは営業や集客の専門部署が担っていた部分を、これからは自分ひとりで回していくことになります。やることが一気に増えて、何から手をつければいいか分からなくなるのは、多くの人が通る道です。
この記事では、独立・開業直後の数ヶ月で営業をどう始めればいいかを、順を追って整理します。「これさえやれば必ず仕事が来る」という話ではなく、限られた時間のなかで土台を整え、無理なく続けていくための考え方をまとめました。焦らず、できるところから取り組んでいくための参考になれば幸いです。
開業直後は「実務」と「営業」を同時に進める時期
独立したての時期に多くの人が感じるのは、「やることが多すぎて、営業まで手が回らない」という戸惑いです。事業の準備、屋号や口座の整備、サービス内容の固め込み、必要な届け出──こうした実務だけでも相当な量があります。そこに「営業もしなければ」というプレッシャーが重なります。
ただ、開業直後にすぐ仕事が立て込むケースは、決して多数派ではありません。前職からの引き継ぎや知人からの紹介で最初の数件が決まる人もいますが、そうでない人のほうがむしろ一般的です。「最初の数ヶ月は思ったより静か」という状態は、特別なことではなく、よくある立ち上がり方のひとつです。
だからこそ、この時期は焦って成果を求めるよりも、あとから効いてくる土台を整えることに時間を使うのが現実的です。すぐに結果が出なくても、自分を必要としてくれる相手に見つけてもらうための準備を、少しずつ進めておく。その積み重ねが、数ヶ月後の動きやすさにつながります。
まず整えておきたい3つの土台
営業を始める前に、最低限整えておくと動きやすくなる土台が3つあります。いきなり営業活動に走るのではなく、まずここを固めておくと、その後の一件一件が伝わりやすくなります。
実績・サービス内容を言葉にしておく
独立直後は「まだ実績がないから営業できない」と感じやすい時期です。ただ、実績は必ずしも独立後の案件だけを指すわけではありません。会社員時代に手がけた仕事、関わったプロジェクト、身につけたスキルも、立派な実績の一部です。守秘義務に配慮しつつ、「何ができるか」「どんな成果に関わってきたか」を整理しておきましょう。
あわせて、自分のサービスを一言で説明できるようにしておくことも大切です。「誰の、どんな困りごとを、どう解決するのか」を短い言葉でまとめておくと、紹介を受けたときも、問い合わせがあったときも、相手に伝わりやすくなります。
プロフィール・実績を見せる場所をつくる
次に、自分のことを見てもらう場所を用意します。簡単なホームページ、サービス紹介ページ、あるいはSNSのプロフィールでも構いません。完璧なものを最初から作る必要はなく、「どんな人が、何を提供しているか」が分かる状態にしておくことが目的です。
相手は依頼を検討するとき、まずあなたのことを調べます。そのときに情報が何もないと、判断材料が足りずに見送られてしまうこともあります。最低限、サービス内容・料金の目安・問い合わせ方法が分かるページがあると、相手は安心して次の一歩を踏み出しやすくなります。
問い合わせ導線を分かりやすくする
意外と見落とされがちなのが、「どうやって連絡すればいいか」が分かりやすいかどうかです。せっかく興味を持ってもらっても、連絡手段が見つけにくければ、そのまま離れてしまいます。問い合わせフォーム、メールアドレス、SNSのDMなど、相手が無理なく連絡できる入り口を、目立つ場所に置いておきましょう。
特に、対面や電話でのやりとりに気後れする方にとっては、テキストで気軽に連絡できる入り口があると、双方にとってやりとりが始めやすくなります。問い合わせのハードルを下げておくことは、それ自体が地味で効果的な営業の準備です。
最初の営業の選択肢を知っておく
土台が整ってきたら、実際にどう声をかけていくかを考えます。営業の方法はひとつではなく、いくつかの選択肢があります。それぞれに向き不向きがあるので、自分の事業や性格に合いそうなものから試してみるのがよいでしょう。ここでは代表的なものを中立的に紹介します。
紹介・既存のつながりから始める
前職の同僚、取引先、知人など、すでにあるつながりに独立を伝えることは、最初の営業の入り口になりやすい方法です。相手がこちらの人となりをすでに知っているぶん、話が早く進む傾向があります。ただし、つながりの数や業種によっては、ここだけで案件が安定して続くとは限りません。紹介はありがたい一方で、自分でコントロールしにくい面もあります。
フォーム送信・SNSメッセージで自分から声をかける
自分から候補となる相手に連絡をとる方法もあります。問い合わせフォームからの連絡や、SNSのメッセージなどを使って、サービスを必要としていそうな相手に直接アプローチします。自分のタイミングで動けて、数も自分で調整できるのが特徴です。一方で、誰に・どんな文面で送るかを考える手間はかかります。テキスト中心で進められるため、対面や電話よりこちらのほうが取り組みやすいと感じる方もいます。
交流会・イベントに参加する
地域の交流会や業種別の集まり、オンラインのコミュニティに参加して、人とのつながりを広げる方法です。直接会って話すことで信頼が生まれやすい場面もあります。ただし、こうした場でのやりとりが得意な方もいれば、そうでない方もいます。人と会って話すのが負担に感じる場合は、無理にここに比重を置く必要はありません。自分に合う方法を中心に組み立てれば十分です。
情報発信で見つけてもらう
ブログやSNSで役立つ情報を発信し、相手から見つけてもらう方法もあります。すぐに成果が出るものではありませんが、続けることで少しずつ認知が広がっていきます。発信そのものが、自分のサービスや考え方を伝える場にもなります。時間はかかるものの、土台づくりと相性のよい取り組みです。
小さく始めて、続けられる形にする
選択肢が分かっても、いきなりすべてに手を出すと、本業の時間を圧迫してしまいます。開業直後は実務との両立が前提なので、小さく始めて、続けられる形に落とし込むことが大切です。
まずは、ひとつか二つの方法に絞って試してみるとよいでしょう。あれもこれもと広げるより、ひとつの方法を一定期間続けてみたほうが、手応えや改善点が見えてきます。たとえば「週に何件か自分から連絡してみる」「週に一度は発信する」といった、無理のない量から始めます。
時間配分も決めておくと続けやすくなります。本業の合間に営業を差し込もうとすると、つい後回しになりがちです。「火曜と金曜の午前は営業の時間」というように、あらかじめ枠を決めておくと、習慣として回しやすくなります。完璧を目指さず、続けられる量で淡々と進めることが、結果的に遠くまで運んでくれます。
また、やったことを簡単に記録しておくと、あとで振り返りやすくなります。誰に、いつ、どんな形で連絡したか。反応があったかどうか。こうした記録があると、次に何を変えればいいかの判断材料になります。仕組みとして軽く回せる形を、早い段階でつくっておくと負担が減ります。
よくあるつまずきと向き合い方
独立直後の営業では、いくつかつまずきやすいポイントがあります。どれも珍しいことではないので、「自分だけが苦戦している」と思い込まなくて大丈夫です。
ひとつは、「成果がすぐに出ないと焦ってしまう」ことです。営業は、動いてから結果につながるまでに時間差があるのが普通です。今日連絡した相手が、数ヶ月後に思い出して問い合わせてくることもあります。短期間で判断せず、一定期間は続けてみる姿勢が役立ちます。
もうひとつは、「自分から売り込むことに気が進まない」というものです。営業に苦手意識を持つこと自体は、決してマイナスではありません。そのような方にこそ、対面や電話に頼らず、テキストで自分のペースで進められる方法が合うこともあります。苦手なやり方を無理に続けるより、負担の少ない方法を選ぶほうが、長く続けやすくなります。
また、「何を伝えればいいか分からない」という戸惑いもよく聞かれます。これは、先に挙げた土台づくり──サービス内容を言葉にし、実績を整理しておくこと──がそのまま助けになります。伝える中身が整理できていれば、声をかけるときの心理的なハードルも下がります。
完璧にこなそうとしすぎないことも大切です。最初からうまくいく人はほとんどいません。試しながら少しずつ自分に合う形を見つけていく、というくらいの気持ちで取り組むと、続けやすくなります。
時間がないときは、外注という選択肢もある
ここまで、自分で営業を始める方法を整理してきました。とはいえ、開業直後は本業の立ち上げにエネルギーを集中したい時期でもあります。「営業の大切さは分かるけれど、そこに割く時間がどうしても取れない」という状況は、十分に起こり得ます。
そうしたとき、営業の一部を外注するという選択肢があります。最初のアプローチ──候補となる相手のリストづくりや、初回の連絡──を任せられれば、自分は本業や、反応のあった相手とのやりとりに集中できます。営業をすべて手放すのではなく、立ち上がりの手間がかかる部分だけを補う、という使い方です。
BBBメッセージサービスは、こうした立ち上げ期の負担を軽くするための選択肢のひとつです。自社の事業条件(業種・規模・地域など)に合う相手かどうかをすり合わせたうえで、コストを抑えて数を当てる設計で、営業リストの作成から初回のフォーム・SNSメッセージ送信までを代行します。やりとりはすべてテキストで完結するため、対面や電話が得意でない方にも使いやすく、本業の合間に確認しながら進められます。料金は月額0円・必要なぶんだけの相談ベースなので、開業直後の限られた予算でも始めやすい形です。
自分で動くか、一部を外注するか。どちらが正解ということはなく、その時々の時間と予算に合わせて選べばよいものです。「今は本業に集中したい」という時期だけ外注を使い、落ち着いたら自分で動く、といった組み合わせ方もできます。
まとめ
この記事のポイントを振り返ります。
- 開業直後は実務と営業を同時に進める時期。すぐに成果が出なくても焦る必要はなく、土台づくりに時間を使うのが現実的。
- まず整えたい土台は「実績・サービス内容を言葉にする」「プロフィールや実績を見せる場所をつくる」「問い合わせ導線を分かりやすくする」の3つ。
- 最初の営業の選択肢には、紹介・フォームやSNSでの連絡・交流会・情報発信などがある。自分や事業に合う方法から試すとよい。
- いきなり全部に手を出さず、ひとつか二つに絞って小さく始め、時間枠を決めて続けられる形にする。記録を残すと振り返りやすい。
- つまずきは誰にでもある。成果の時間差、売り込みへの苦手意識、伝える中身の整理など、向き合い方を知っておくと楽になる。
- 時間が取れないときは、立ち上がりの手間がかかる部分だけを外注するという選択肢もある。
独立・開業直後の営業は、一度にすべてを完璧にこなす必要はありません。土台を整え、自分に合う方法を小さく続けていくこと。その積み重ねが、数ヶ月後の動きやすさにつながっていきます。できるところから、無理なく始めてみてください。
営業の最初の一歩を、外注するという選択肢
「やり方は分かったけれど、自分でやる時間がない」という方へ。BBBメッセージサービスは、営業リストの作成から初回営業メッセージの送信までを代行するサービスです。月額0円・100件¥5,000から、必要なぶんだけ依頼できます。
執筆者:栗原 陽介(TYNコンサルティングオフィス 代表)
BBBメッセージサービス(営業リスト作成・初回営業メッセージ送信代行)の運営者。個人事業主・フリーランスの営業支援に携わっています。運営者について詳しくは 会社案内 をご覧ください。
