「今月こそ営業をやろう」と決意したのに、気づけば月末。結局、今月も新規開拓に手をつけられなかった──。個人事業主・フリーランスとして働いていると、こうした経験を何度も繰り返してしまいがちです。
営業が続かないと、自分を「意志が弱い」「ダメな経営者だ」と責めてしまう人もいます。けれど、本当の原因は意志ではありません。続かないのは、「やる気に頼る仕組み」になっているからです。この記事では、やる気に左右されず営業を続けるための「仕組みづくり」を解説します。
営業が続かないのは意志の弱さではない
まず、思い込みを外しましょう。営業が続かないのは、あなたの意志が弱いからではありません。
人間のやる気は、もともと不安定なものです。気分、体調、忙しさ、他の仕事のプレッシャー──さまざまな要因で、やる気は日々上下します。その不安定なやる気に営業を委ねている限り、「やる気が出た日だけやる」状態から抜け出せません。
続けている人は、意志が強いのではなく、「やる気がなくても回る仕組み」を持っているのです。だからまず、「意志でなんとかしよう」という発想をやめることが、最初の一歩になります。
「やる気」に頼る営業が続かない理由
なぜ、やる気に頼る営業は続かないのでしょうか。理由は3つあります。
理由1:やる気は毎日変わる
今日はやる気があっても、明日はないかもしれません。やる気を「やる条件」にしてしまうと、やらない日が必ず出てきます。
理由2:営業は後回しにしやすい
営業には締め切りがありません。納品や打ち合わせと違って、「今日やらなくても誰にも怒られない」。だから、目の前の締め切りがある仕事に押し出されて、後回しになります。
理由3:成果がすぐ出ないから続けにくい
営業はやってもすぐに結果が出ません。手応えのない作業は、やる気だけでは続きにくいものです。
これら3つの「続かない要因」を、意志ではなく仕組みで乗り越えるのが、本記事の考え方です。
営業を仕組みにする3つの考え方
営業を仕組み化するための、3つの基本的な考え方を紹介します。
考え方1:時間を決める(やる気でなく時間で動く)
「やる気が出たらやる」のではなく、「この時間になったらやる」に変えます。たとえば「毎週月曜の朝9時から30分は営業の時間」と決め、カレンダーに固定する。やる気の有無に関係なく、時間が来たら手を動かす。これだけで、やらない日が激減します。
考え方2:作業を分ける(一度に全部やろうとしない)
「営業をする」とひとくくりにすると、重く感じて手が止まります。営業を「リスト作り」「文面作り」「送信」「反応管理」という小さな作業に分け、それぞれを別の時間に少しずつ進めると、心理的なハードルが下がります。
考え方3:外に出す(自分でやらない部分を決める)
すべてを自分でやろうとすると、続きません。負担の大きい作業は、思い切って外部に任せるのも一つの仕組みです。「自分にしかできないこと」に集中し、「誰がやっても同じこと」を手放す。これも立派な仕組み化です。
1週間の営業ルーティンの作り方(例)
具体的なイメージを持ってもらうために、1週間の営業ルーティンの一例を示します。あくまで例なので、自分の生活に合わせて調整してください。
| 曜日 | 時間 | やること |
|---|---|---|
| 月曜 | 朝30分 | 営業リストを5〜10件追加する |
| 水曜 | 朝20分 | 用意した営業文を数件送信する |
| 金曜 | 朝20分 | 返信・問い合わせに対応する、記録を更新する |
ポイントは、1回あたりの作業を小さく区切ることです。「毎日1時間」のような重いルーティンは続きません。「週に3回、各20〜30分」くらいの軽さから始め、続けられそうなら少しずつ増やしていきます。
大切なのは、完璧にこなすことではなく、止めないことです。多少できない週があっても、翌週にまた戻ればいい。続けることそのものを目標にしましょう。
営業作業を分解して負担を減らす
仕組み化の中心になるのが、「作業の分解」です。営業を一塊で捉えると重いですが、分解すれば、それぞれは取り組みやすい小さなタスクになります。
- リスト作り:ターゲット条件に合う相手を集める準備作業
- 文面作り:送る営業文を1本仕上げる作業
- 送信:用意したリストと文面で、1件ずつ送る作業
- 反応管理:返信に対応し、記録を残す作業
このうち、文面作りは「最初に1本作れば、しばらく使い回せる」作業です。一度しっかり作っておけば、毎回ゼロから書く必要はありません。
また、リスト作りと送信は、まとまった時間に集中して進めると効率的です。作業の性質ごとに時間を分けることで、負担を平準化できます。
自分でやらない部分を決める
最後に、仕組み化の重要な要素として「やらないことを決める」を挙げます。
営業を続けられない人の多くは、「全部自分でやろう」としています。しかし、リスト作りも、文面作りも、送信も、反応管理も、すべてを一人で背負えば、本業との両立は難しくなります。
そこで、「自分でやる部分」と「人に任せる部分」を切り分けます。たとえば、最も時間のかかるリスト作成や初回の送信を外部に任せ、自分は商談や提案に集中する。こうすれば、営業の流れを止めずに、本業との両立がしやすくなります。
外注は「全部任せる」ことではありません。負担の大きい一部分だけを手放すことも、立派な仕組み化です。「自分でやらないことを決める」のも、続けるための大切な仕組みなのです。
なお、フォーム営業の成果が出るまでの時間軸は「フォーム営業の効果が出るまでの期間|送信開始から成果までの目安」、時間配分の効率化は「個人事業主の営業効率化|限られた時間を最大化する考え方」で詳しく解説しています。
まとめ
この記事のポイントを振り返ります。
- 営業が続かないのは意志の弱さではなく、やる気に頼る仕組みになっているから。
- やる気は不安定で、営業は後回しにしやすく、成果がすぐ出ない。だから仕組みが要る。
- 仕組み化の3つの考え方は「時間を決める」「作業を分ける」「外に出す」。
- 1週間のルーティンは、1回を小さく区切り、止めないことを優先する。
- 営業を「リスト・文面・送信・管理」に分解すると負担が減る。
- 「自分でやらない部分を決める」ことも仕組みづくりの一部。
営業は、気合いで続けるものではなく、仕組みで続けるものです。まずは「毎週○曜の○時は営業の時間」と、カレンダーに1枠だけ入れてみてください。
営業の最初の一歩を、外注するという選択肢
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執筆者:栗原 陽介(TYNコンサルティングオフィス 代表)
BBBメッセージサービス(営業リスト作成・初回営業メッセージ送信代行)の運営者。個人事業主・フリーランスの営業支援に携わっています。運営者について詳しくは 会社案内 をご覧ください。
