営業リストを自分で作る方法|個人事業主が無料で始める手順

営業リストを自分で作る方法|個人事業主が無料で始める手順

「営業を始めたいが、リストにお金はかけられない」「まずは自分の手で、無料で作れるところから始めたい」──個人事業主・フリーランスから、よく聞く声です。営業リストは外部サービスを使う方法もありますが、最初の数十件・数百件であれば、自分で・無料で作ることは十分に可能です。

この記事では、特別なツールを使わずに営業リストを自分で作る具体的な手順を、個人事業主の方に向けて解説します。情報源の選び方、検索の絞り込み、スプレッドシートでの管理方法、よくある落とし穴まで、実際に手を動かすイメージを持てる内容にまとめました。

目次

自分でリストを作るメリットと前提

まず、自分でリストを作ることのメリットを整理しておきます。

  • コストがかからない:時間はかかるが、金銭的な支出はゼロから始められる。
  • ターゲット感覚が磨かれる:1件ずつ調べる過程で、「どんな相手が自社に合うか」の解像度が上がる。
  • 少量から始められる:いきなり大量に作らず、数十件単位で試行錯誤できる。

一方、前提として知っておきたいのは、自作には時間がかかるということです。検索・確認・整理を1件ずつ行うため、本格的に量を増やそうとすると本業に影響します。「最初の感覚をつかむまでは自分で、量が必要になったら別の選択肢を考える」と割り切るのが現実的です。

営業リストの基本的な考え方や、ターゲット選定の進め方については、ピラー記事「営業リストの作り方とターゲット選定の考え方」で詳しく解説しています。本記事は、その実践編として読んでください。

ステップ1:ターゲット条件を言語化する

リスト作成に入る前に、必ずやっておきたいのがターゲット条件の言語化です。ここを飛ばすと、後で「なぜこの相手を入れたのか説明できない」リストになります。

最低限、次の項目は紙やメモに書き出しておきましょう。

  • 業種:どんな業種・事業領域の相手か
  • 規模:個人事業主・小規模法人・中規模など、おおよその目安
  • 地域:全国か、特定エリアか
  • 想定する課題:自社サービスが解決できる「困りごと」
  • 除外条件:避けたい相手(競合・既存顧客・営業お断り先など)

この5項目を紙1枚にまとめておくと、リスト作成中に迷ったとき、「この相手は条件に合うか」を即座に判断できます。

ステップ2:無料で使える情報源を選ぶ

ターゲット条件が決まったら、次は情報をどこから取るかです。有料データベースを使わなくても、無料で当たれる情報源は意外と多くあります。代表的なカテゴリを挙げます。

検索エンジン

最も基本的な情報源です。後述する絞り込み術を使えば、条件に近い企業を効率よく拾えます。

業界団体・協会のサイト

業種を絞る場合に有用です。多くの業界団体には会員企業の一覧が公開されており、業種・地域で絞られた信頼性の高い情報源になります。

行政・自治体の公開情報

商工会議所の会員一覧、自治体が公開する事業者紹介ページ、産業支援機関の事例紹介ページなど、公開情報の中にもターゲットの候補は見つかります。

ポータルサイト・口コミサイト

業種別のポータルサイトや、店舗・サービスを紹介する一覧サイトも候補になります。掲載されている企業はWebでの集客に積極的な傾向があり、リストの素材として扱いやすい場合があります。

SNS・ビジネス系プロフィールサービス

事業者自身が情報発信しているSNSや、ビジネス向けのプロフィール公開サービスも、候補発見に役立ちます。ただし、後述する利用上の留意点には目を通しておきましょう。

なお、特定の有料データベースサービスをここで推奨することは控えます。「自分で・無料で」始めたい段階では、まず公開情報の範囲で十分な手応えが得られます。

ステップ3:Google検索の絞り込み術

無料の情報源の中でも、検索エンジンは最も柔軟に使えます。ターゲット条件に合う相手を効率よく見つけるための、基本的な絞り込みパターンを紹介します。

  • 業種+地域:「○○業 △△市」のように、業種名と地域名を組み合わせる。
  • 業種+特定キーワード:「△△業 採用」「○○業 新規」など、想定する課題に関連する語を加える。
  • 特定サイト内検索:「site:◯◯.jp 業種名」のように、特定ドメイン内に絞って検索する。
  • 除外キーワード:「業種名 -採用情報」のように、不要な結果を除外する(マイナス記号の前後にスペースを忘れずに)。

検索結果の上位だけでなく、2〜3ページ目までざっと目を通すと、大手以外の候補が見つかりやすくなります。1回の検索で大量に拾うより、検索キーワードを少しずつ変えながら丁寧に拾うほうが、結果的に質の高いリストになります。

ステップ4:スプレッドシートで管理する

集めた情報は、最初からきちんと整理しておくと後で楽になります。GoogleスプレッドシートやExcelで、次のような列を用意しましょう。

  • 企業名・屋号
  • 公式サイトURL
  • 問い合わせフォームURL(フォーム営業の場合)
  • 業種・事業内容のメモ
  • 所在地
  • 想定される課題のメモ
  • 営業可否(「営業お断り」記載の有無)
  • 取得日(情報の鮮度を管理するため)
  • 送信ステータス(未送信/送信済/返信あり、など)
  • 備考(フォローのタイミングや特記事項)

最初は項目が多く感じるかもしれませんが、後から追加するより、最初から枠を作っておくほうが楽です。特に「取得日」と「営業可否」は、後の運用を大きく左右します。

ステップ5:取得した情報の確認と整理

集めた候補をそのままリストにするのではなく、1件ずつ「本当にリストに入れるか」を判断します。確認するポイントは次の通りです。

  • 公式サイトを開き、業種・事業内容がターゲット条件に合うかを確認する
  • 問い合わせフォームの有無、または利用規約・注意書きに「営業お断り」の記載がないかを見る
  • 明らかに更新が止まっているサイトでないか(最終更新が数年前など)をざっと確認する
  • 既に取引のある相手や、競合に該当する相手は除外する

この確認を省くと、後の送信段階で「送れない」「送ってはいけなかった」が大量に発生します。集める段階で1〜2分かけて確認することが、結局は効率的です。

よくある落とし穴

自分でリストを作るとき、初心者がよくつまずく落とし穴を挙げておきます。

落とし穴1:同じ相手の重複

複数の情報源から拾うと、同じ企業が重複します。スプレッドシートの「重複の削除」機能や、URL列でのソートを使って、定期的にチェックしましょう。

落とし穴2:古い情報の混入

ポータルサイトの掲載情報や、検索結果の古いキャッシュには、すでに閉鎖した企業が混ざっていることがあります。必ず公式サイトを直接見て、現在も稼働しているかを確認します。

落とし穴3:対象外の混入

業種名で検索すると、関連はあるが対象外の企業(例:その業種「向け」のサービスを提供する別業種)が紛れ込みます。検索結果のタイトルだけで判断せず、サイトの中身を見て判断する習慣をつけましょう。

落とし穴4:作って満足してしまう

リストを作ること自体が目的化し、実際の送信に進まないケースです。リストは使ってこそ意味があります。「100件作ったら必ず送信に進む」のように、自分のルールを決めておくとよいでしょう。

リストの「質」を維持する考え方については、「営業リストの「質」とは何か。量より質が成果を分ける理由」も参考にしてください。

自作の限界と、外注を検討する目安

自分でリストを作ることには、明確な限界もあります。

  • 時間がかかる:1件あたり3〜5分かかると、100件で5〜8時間。本業の合間に続けるのは負担が大きい。
  • 量が必要なときに追いつかない:本格的に営業を回し始めると、数百件・千件単位のリストが必要になり、自作では間に合わない。
  • 情報の鮮度を保ち続けるのが大変:一度作ったリストも、半年・1年経てば古くなる。継続的な更新が重い。

最初の数十件〜100件程度を自分で作ってターゲット感覚をつかんだ後、本格的に量を必要とする段階になったら、リスト作成だけを外部に任せるという選択肢を検討してもよいでしょう。営業全体ではなく、「最も時間のかかる準備作業だけ」を任せる切り出し方は、個人事業主にも現実的な選択です。

個人事業主の営業活動全体の進め方については、「個人事業主の営業方法。何から始めるかを整理する」もあわせてご覧ください。

まとめ

この記事のポイントを振り返ります。

  • 営業リストは、無料で・自分で作ることが十分可能。最初の感覚をつかむ段階に向いている。
  • リスト作成前に、業種・規模・地域・課題・除外条件の5項目を言語化する。
  • 無料で使える情報源は、検索エンジン・業界団体・行政公開情報・ポータル・SNSなど。
  • Google検索は「業種+地域」「業種+課題語」「site:検索」「除外キーワード」を組み合わせると効率的。
  • スプレッドシートで「取得日」「営業可否」「送信ステータス」まで含めて管理する。
  • 1件ずつ公式サイトを確認し、重複・古い情報・対象外の混入を防ぐ。
  • 自作には時間の限界があるため、量が必要になった段階で外注を検討する。

まずは10件、20件から始めてみてください。手を動かすうちに、「自社にとって良い相手」の感覚は確実に磨かれていきます。

営業の最初の一歩を、外注するという選択肢

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BBBメッセージサービス

執筆者:栗原 陽介(TYNコンサルティングオフィス 代表)

BBBメッセージサービス(営業リスト作成・初回営業メッセージ送信代行)の運営者。個人事業主・フリーランスの営業支援に携わっています。運営者について詳しくは 会社案内 をご覧ください。

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