フォーム営業を始めようとして最初につまずくのが、「結局、どんな文面を書けばいいのか」という点です。考え方は理解できても、いざ白紙に向かうと手が止まってしまう──そんな個人事業主・フリーランスは少なくありません。
この記事では、問い合わせフォーム営業で使える例文とテンプレートを、そのまま参考にできる形でまとめました。基本の構成から、コピペして自社用に調整できる3パターンの型、件名の例、NG例の改善まで紹介します。なお、ここで示す例文はあくまで一般的な見本です。実際の文面は、自社のサービスと送る相手に合わせて調整してください。
まずは文面の基本構成を押さえる
例文を見る前に、フォーム営業の文面がどんな部品でできているかを確認しておきましょう。読まれる文面は、おおむね次の4つのパートで組み立てられています。
- 件名:内容が一目で想像でき、誇張のないもの。
- 書き出し:簡潔な挨拶と名乗り、そして「なぜあなたに連絡したのか」。
- 本文:相手のメリット(提供できる価値)を中心に、自分の裏づけを簡潔に。
- 締め:相手にしてほしいこと(次のアクション)を、プレッシャーなく示す。
この4つを「相手のメリットを中心に」並べるのが基本形です。文章を書く際の考え方そのものについては、別記事「初回営業メッセージ(営業文)の書き方。読まれる文章の基本」で詳しく解説しています。本記事では、その考え方を反映した具体的な文面の見本を中心に紹介します。
そのまま使えるテンプレート3パターン
ここからは、業種に依存しすぎない汎用的なテンプレートを3つ紹介します。いずれも個人事業主・フリーランスがBtoBサービスを案内する場面を想定した一般例です。`○○`の部分を自社の情報に置き換えて使ってください。
パターン1:汎用型(オーソドックスな提案)
最も基本的な、過不足のない型です。どんなサービスにも応用しやすく、まず1本目に作るならこの型がおすすめです。
件名:○○(サービス内容)に関するご提案
突然のご連絡失礼いたします。
○○(自分の事業・屋号)として活動している△△と申します。
御社のサイトを拝見し、○○(相手の事業・特徴)に取り組まれていることを知り、
ご連絡いたしました。
私は、○○(提供できる内容)を通じて、
□□(相手が得られるメリット・解決できる課題)のお手伝いをしております。
もしご関心がございましたら、
一度オンラインなどで簡単にお話しできれば幸いです。
ご多用のところ恐れ入りますが、ご検討いただけますと幸いです。
パターン2:課題提起型(相手の悩みから入る)
相手が抱えていそうな課題を冒頭で示し、共感から入る型です。「自分ごと」として読んでもらいやすくなります。ただし、的外れな課題を決めつけると逆効果なので、相手の事業をよく見たうえで使います。
件名:○○(よくある課題)でお困りではありませんか
突然のご連絡失礼いたします。
○○として活動している△△と申します。
御社と同じ○○(業種・事業領域)の方から、
「□□(よくある悩み)」というお声をうかがうことがよくあります。
私は、○○(提供できる内容)によって、
こうした課題の解決をお手伝いしております。
もし御社でも似たような点でお悩みでしたら、
一度お話を聞かせていただけないでしょうか。
ご検討いただけますと幸いです。
パターン3:事例紹介型(具体的なイメージを添える)
「どんな相手に、どんな形で役立ってきたか」を一言添え、提案の中身を具体的にイメージしてもらう型です。実績に触れる場合は、誇張せず正直な範囲にとどめます。
件名:○○(相手の事業)のお役に立てるかもしれません
突然のご連絡失礼いたします。
○○として活動している△△と申します。
御社のサイトを拝見し、ご連絡いたしました。
これまで○○(似た立場の相手)の方に対して、
□□(提供した内容と、その結果起きた変化)といったお手伝いをしてまいりました。
御社でも同様に、○○(相手のメリット)につなげられるのではないかと考えております。
もしご興味がございましたら、詳しい内容をご案内いたしますので、
お気軽にお声がけください。
テンプレートを自社用にカスタマイズする手順
テンプレートはあくまで土台です。そのまま全員に送ると「使い回し感」が出てしまうため、最低限のカスタマイズをしてから使いましょう。難しく考える必要はなく、次の手順で十分です。
1. 自社の情報を埋める:屋号・名前・提供できる内容・相手のメリットを、自分の言葉に置き換えます。ここで「相手のメリット」を一文で言い切れると、文面全体が締まります。
2. 相手起点の一文を足す:送る相手のサイトを見て気づいたことを、一文だけ加えます。「御社の○○という取り組みを拝見し」など、その相手にしか当てはまらない一言があるだけで、使い回し感は大きく薄れます。
3. 長さを整える:埋めてみて長くなりすぎたら削ります。スマートフォンの画面で、スクロールしすぎずに読み切れる長さが目安です。
4. 誇張がないか確認する:「必ず」「絶対」「No.1」のような断定や、事実と異なる記載が混じっていないかを見直します。
このうち最も効くのが2の「相手起点の一文」です。土台のテンプレートは1本作り込んでおき、送るたびにこの一文だけ差し替える。これが、品質と効率を両立する現実的なやり方です。
NG例とその改善
最後に、ありがちな失敗例と、その改善方向を3つ紹介します。自分の文面を見直すときのチェックにも使えます。
NG例1:長すぎる
「はじめまして。私は○○年に独立し、これまで△△や□□といった分野で……(自己紹介が延々と続く)」
画面いっぱいに文字が詰まっていると、それだけで読む気が失せます。改善:自己紹介は1〜2行に削り、相手のメリットを前に出します。「最初の接点」に必要なことだけに絞りましょう。
NG例2:自分本位
「私はこれだけの実績があり、こんなスキルを持っています。ぜひ一度お話を」
読み手の関心は、書き手の実績ではなく「それが自分にとって何の役に立つのか」です。改善:実績を書いたら「だから、あなたにとってどう良いのか」まで言葉にします。実績は相手のメリットの裏づけとして、最小限に添えます。
NG例3:誇張・売り込みが強い
「必ず成果が出ます。導入すれば売上が劇的にアップします」
根拠のない断定は、かえって不信感を生みます。改善:できることを、できる範囲で正直に書きます。誠実なトーンのほうが、結果的に信頼につながります。
なお、こうした配慮はマナーの面でも大切です。やってはいけない送り方については「フォーム営業はマナー違反?適切な送り方とNG行為」もあわせてご覧ください。
件名の例
件名欄があるフォームでは、件名が「読まれるかどうか」を左右します。誇張せず、内容が想像できるものにするのが基本です。一般的な見本として、いくつか挙げておきます。
- 「○○(サービス内容)に関するご提案」
- 「○○でお困りではありませんか」
- 「○○(相手の事業)のお役に立てるかもしれません」
- 「○○のご相談を承っております」
避けたいのは「必見」「絶対お得」「【重要】」のような煽り文句です。一時的に目を引いても、警戒され、本文を読まれにくくなります。
例文づくりに迷ったら
ここまでテンプレートを紹介してきましたが、「型は分かっても、自社の言葉に落とし込むのが難しい」と感じる方もいるでしょう。営業文づくりは、慣れていないと意外に手間がかかるものです。
そんなときは、まず「相手のメリットを一文で言い切る」ことから始めてみてください。その一文さえ固まれば、あとはテンプレートの空欄を埋めていくだけで形になります。
それでも難しい場合は、営業文の作成を外部に相談するという選択肢もあります。ヒアリングをもとに、自社の強みと相手の課題をつなぐ営業文を作成・提案してくれるサービスもあります。土台となる1本を一緒に作ってもらうのも、現実的な方法です。
なお、営業文の作成自体を外注する選択肢については「営業代行に営業文の作成まで任せる|依頼できる範囲とその活用法」で詳しく解説しています。
なお、SNS DMでの送り方とマナーについては「SNS DM営業のやり方とマナー|X・Instagramで嫌われずに新規開拓する」も参考になります。
まとめ
この記事のポイントを振り返ります。
- フォーム営業の文面は「件名・書き出し・本文・締め」の4パートで組み立てる。
- テンプレートは「汎用型・課題提起型・事例紹介型」の3パターンを土台にできる。
- そのまま送らず、「相手起点の一文」を足してカスタマイズするのが使い回し感を消すコツ。
- NG例は「長すぎる・自分本位・誇張」。改善方向は「短く・相手のメリット中心・正直に」。
- 件名は内容が想像でき、誇張しないものに。煽り文句は逆効果。
- ここで示した例文はあくまで一般的な見本。自社と相手に合わせて調整する。
テンプレートは、一度しっかり作り込めば長く使える資産になります。まずは汎用型を1本仕上げ、相手ごとに一文だけ足すところから始めてみてください。フォーム営業の全体像を確認したい方は、ピラー記事「問い合わせフォーム営業とは?基本とやり方をわかりやすく解説」もあわせてご覧ください。
営業の最初の一歩を、外注するという選択肢
「やり方は分かったけれど、自分でやる時間がない」という方へ。BBBメッセージサービスは、営業リストの作成から初回営業メッセージの送信までを代行するサービスです。月額0円・100件¥5,000から、必要なぶんだけ依頼できます。
執筆者:栗原 陽介(TYNコンサルティングオフィス 代表)
BBBメッセージサービス(営業リスト作成・初回営業メッセージ送信代行)の運営者。個人事業主・フリーランスの営業支援に携わっています。運営者について詳しくは 会社案内 をご覧ください。
