営業代行というと、「リストを作って、そのリストに営業を送る」という作業代行のイメージが先に立ちます。しかし実際には、その前段にある「営業文(送る文面)の作成」まで含めて任せられる場合があることは、意外と知られていません。
「文面は自分で書いて渡すもの」と思い込んだまま、何時間も画面の前で悩み、結局送信を先延ばしにしてしまう。そんな経験のある個人事業主・フリーランスは少なくないはずです。この記事では、営業代行に「営業文の作成」まで含めて依頼するという選択肢について、依頼できる範囲・メリットとデメリット・一般的な流れ・伝えるべき情報まで、中立的な立場で整理します。
営業文の作成は、思っている以上に重い作業
最初に押さえておきたいのは、営業文づくりは「ちょっと書けばいい作業」ではない、ということです。
営業文を書くというのは、表面的には「数百字の文章を作る」だけの仕事に見えます。しかし実態は、自分のサービスを「相手目線」で言語化するという、コピーライティングに近い作業です。自分にとっては当たり前の価値を、知らない相手に伝わる言葉に翻訳しなければなりません。
ここでつまずく人が多いのは、ごく自然なことです。自分のサービスのことは知りすぎているため、何を強調すべきか・どこを省くべきかの判断がつきにくくなります。「だから何?(So what?)」を突き詰める作業を一人で続けるのは、想像以上に消耗します。読まれる営業文の基本的な考え方は「初回営業メッセージ(営業文)の書き方。読まれる文章の基本」で詳しく整理しています。
つまり、営業文づくりは「軽い前準備」ではなく、それ自体が独立したひとつの作業です。だからこそ、ここを外注の対象として考える価値があります。
営業代行に依頼できる範囲のおさらい
営業代行に頼める作業は、大きく分けると次のように整理できます。
- リスト作成:アプローチ先となる企業や個人の情報を集めてリスト化する
- 営業文(文面)の作成:送る文章を、ヒアリングをもとに作成・提案する
- 送信・架電などのアプローチ:問い合わせフォーム送信、メール送信、電話など、実際に接触する作業
- 商談・クロージング:見込み客と面談し、契約まで進める作業
このうち「営業文の作成」を含むかどうかは、サービスによって対応が分かれます。文面は依頼者が用意する前提のサービスもあれば、ヒアリングをもとに作成・提案までを含むサービスもあります。
依頼を検討する段階で、「営業文の作成まで対応してもらえるか」を確認しておくと、後のすり合わせがスムーズです。外注全般の判断軸は「営業を外注すべきか?営業代行を検討するときの判断基準」を参考にしてください。
営業文の作成まで任せるメリット
営業文の作成を外注に含めることには、次のようなメリットがあります。
自分の言葉で言語化する負担から解放される
最大のメリットは、「自分のサービスを相手目線で言語化する」という最も重い作業を、第三者の視点で進められることです。自分では当たり前すぎて言葉にしにくい強みも、ヒアリングを通じて整理してもらえます。
着手のハードルが下がる
「文面を書く」が手元に残っていると、それだけで送信開始が何週間も後ろにずれることがあります。営業文の作成を任せられれば、相談したその日から着手の段取りが進み、後回しを断ち切りやすくなります。
第三者の客観的な視点が入る
自分一人で書いた文面は、どうしても「自分が言いたいこと」に寄りがちです。外部の人がヒアリングを経て言葉にすると、自分では気づかなかった切り口や、相手目線の表現が混ざります。一人で書くより、伝わりやすい文面になることも珍しくありません。
営業文の作成まで任せるデメリット
一方で、外注ならではの注意点もあります。
自社の細かいニュアンスが完全には伝わらないことがある
ヒアリングが丁寧でも、自分が日々感じている顧客との空気感や、こだわりの細部まで完全に再現するのは難しい場合があります。仕上がった文面を読んで「ここはもう少しこう書きたい」と感じることは、ある程度織り込んでおく必要があります。
コミュニケーションコストがかかる
ヒアリング・確認・修正のやりとりは、依頼者側にも一定の時間を求めます。「全部丸投げで終わる」わけではなく、最初の素材出しと最終確認は依頼者の役割として残ります。
自分の表現力が育ちにくい
外注に頼り続けると、自分で営業文を書く力は伸びにくくなります。長期的に自分でも書けるようになりたいなら、最初の1本を外注で作って「型」にし、以降は自分でアレンジするという使い方が現実的です。
営業文の作成を外注する場合の一般的な流れ
営業文の作成を含む依頼は、おおむね次のような流れで進みます。
1. 問い合わせ・相談:営業文の作成まで対応可能か、料金の扱いはどうかを確認する。
2. ヒアリング:サービス内容・ターゲット・強み・避けたい表現などを伝える。
3. 文面の作成・提案:ヒアリングをもとに、初稿が提示される。
4. 確認・修正のやりとり:依頼者が読んで、伝えたいニュアンスに合うように調整する。
5. 文面確定:最終版を確定し、送信フェーズに進む。
サービスによっては、このやりとりが電話やWeb会議で行われることもあれば、フォーム・チャット・メールなどテキストで完結する形もあります。本業の合間に進めたい個人事業主にとっては、テキスト完結型のほうが時間の融通が利きやすい傾向にあります。
自分で作成する場合との費用感の対比
「営業文を自分で書く場合」と「外注する場合」の負担を、費用面で並べて整理しておきましょう。
| 観点 | 自分で書く場合 | 外注する場合 |
|---|---|---|
| 直接の金銭コスト | かからない | サービスによって発生(プランに含まれる場合もある) |
| 時間コスト | まとまった時間が必要(数時間〜半日以上) | ヒアリング・確認の時間が中心 |
| 心理的負担 | 「相手目線で言語化する」負担を一人で背負う | 第三者と一緒に整理できる |
| 着手スピード | 後回しになりやすい | 相談ベースで早く動き出せる |
| 仕上がりの安定感 | 自分の経験に依存する | 第三者の客観的視点が入る |
ここで大切なのは、「自分で書けば無料」ではない、ということです。自分で書く場合も、その時間を本業に充てれば売上が生まれていたかもしれません。時間コストを含めて費用を比べると、外注のほうが結果的に安く済むケースは珍しくありません。
営業文を外注する際に伝えるべき情報
ヒアリングの質は、依頼者がどれだけ材料を出せるかに左右されます。依頼前に次の情報を整理しておくと、文面の精度が上がります。
- サービスの内容:何を、どんな相手に提供しているのか。
- ターゲット像:業種・規模・地域・役職など、想定する読み手の輪郭。
- 強み・他との違い:似たサービスと比べて、ここが違うという点。
- 避けたい表現:使いたくない言葉・トーン(過剰な売り込み・カジュアルすぎる表現など)。
- 過去に反応のよかった切り口:以前送って手応えがあった文面や言い回しがあれば共有する。
- 次のアクション:相手にどうしてほしいか(返信・資料請求・面談など)。
これらは口頭で完璧に伝える必要はありません。メモ書きや箇条書きで構わないので、テキストで渡せる形にしておくと、ヒアリングの往復回数が減ります。
外注された営業文を自社用にカスタマイズするコツ
外注で受け取った文面は、そのまま使い続けるだけでなく、自分で少しずつ調整していくと、より自分のサービスらしい文面に育っていきます。
- 冒頭の「連絡理由」だけを相手ごとに差し替える:本体を変えなくても、最初の一文を相手の事業に合わせて変えるだけで、使い回し感が薄れます。
- 時期や状況の言葉を入れる:「年度末で〜」「最近〜という相談が増えていて」など、季節や状況の一言を足すと、画一感が消えます。
- 反応の傾向を見て1か所ずつ直す:一度に大きく書き換えず、反応が薄いと感じた段落だけを順に手直しすると、効果が見えやすくなります。
- テンプレートとして複数バージョンを持つ:業種・規模ごとに微調整した数パターンを作っておくと、相手に合わせて選びやすくなります。
具体的な文面の型・テンプレートは「問い合わせフォーム営業の例文・テンプレート。そのまま使える文面の型」にまとめています。外注で作った1本を「土台」とし、テンプレートの考え方で派生形を作っていくと、長く使える資産になります。
まとめ
この記事のポイントを振り返ります。
- 営業文づくりは「自分のサービスを相手目線で言語化する」という重い作業で、軽い前準備ではない。
- 営業代行の中には、リスト作成や送信だけでなく、営業文の作成まで含めて対応するサービスがある。
- メリットは「言語化の負担からの解放」「着手スピード」「第三者の客観的視点」。
- デメリットは「細かいニュアンスの伝達」「ヒアリング・確認の手間」「自分の表現力が育ちにくい」点。
- 一般的な流れは「問い合わせ → ヒアリング → 作成・提案 → 確認・修正 → 確定」。テキスト完結型もある。
- 「自分で書けば無料」ではなく、時間コストを含めて比較すると外注が現実解になることがある。
- 依頼前に「サービス内容・ターゲット・強み・避けたい表現・次のアクション」を整理しておくと精度が上がる。
- 受け取った文面は土台として、冒頭や時期表現を差し替えながら育てていくと長く使える。
営業文を自分で書くか、外注するか。これは「どちらが正しいか」ではなく、「いま自分の時間と労力をどこに使うか」の選択です。最初の1本を一緒に作ってもらうところから始めるのも、十分に現実的な選び方です。
営業の最初の一歩を、外注するという選択肢
「やり方は分かったけれど、自分でやる時間がない」という方へ。BBBメッセージサービスは、営業リストの作成から初回営業メッセージの送信までを代行するサービスです。月額0円・100件¥5,000から、必要なぶんだけ依頼できます。
執筆者:栗原 陽介(TYNコンサルティングオフィス 代表)
BBBメッセージサービス(営業リスト作成・初回営業メッセージ送信代行)の運営者。個人事業主・フリーランスの営業支援に携わっています。運営者について詳しくは 会社案内 をご覧ください。
